過去の資料からの掘り出し物

#1:プログラムのパート紹介からみえる京大オケの特徴

京大オケの定期演奏会のプログラムを開くと、いつも後半にパート紹介のコーナーがあるのをご存じでしょうか。現在のプログラムでは、パートの雰囲気やパート員を紹介しており、お客様を楽しませています。

そのパート紹介のコーナーが始まったのは、第115 回(1974 年6 月) の定期演奏会から。当初は「パートトップからひとこと」というコーナーで、学生指揮者とパートトップたちがパートの苦労やアピールを各々3 行程度で述べています。

その数回後には「団員解放区」という名称に変更され、その名の通り、パートトップから団員の書くコーナーへと変わりました。各々が自由にパートの紹介文を書きはじめ、内容も文量も増え、パートごとのキャラクターも立ち始めました。歴代のパート紹介からパートごとの特徴やセンスを見てみたいと思います。

第1回目は、ヴァイオリンパートを取り上げたいと思います。

Violin

第135回
・舞台の上で、楽器を手にした奏者が一番多く、何をするにも兎角目立つのが、我がパートであります。( 現にこの紙面でも筆頭に紹介されています)。一つには、女性奏者が数多く存在することにもよりますが、何と言ってもヴァイオリンという楽器が人々の目や耳を引き付けるのであります。

第141回
・指揮者の左側をご覧ください。そこは、アナタが一歩でも足を踏み入れれば、逃れることのできないバイオリンゾーンなのです。アナタはそこで常識では理解できぬ体験をするでしょう。バイオリンの美しい調べに酔いしれ、白昼夢をみるのです。あるいは、突然、驟雨にうたれるような音の洪水にのまれるです。演奏会場ではバイオリンゾーンをどれだけ広げることができるかが、鍵となっているのです。バイオリンゾーンに迷い込んだアナタ、もう今夜は眠れない。

第145回
・最近、京大オケにおいて「バイオリン弾き症候群」なる奇病が頻発しているらしい。症状としては以下のようなものがある。1.旋律に異常な執着を示し、伴奏なんてだるくてやってられんと思う。2.指揮者及びパートトップに従うふりをしつつ、実は天敵視している。3.自分の出す音に酔いしれる。 etc.この病気は中毒症状を呈し、一生バイオリンを離せなくなりまともな人生が送れなくる。なお、この病気は空気感染するがバイオリンを手にしない限り発病する恐れは極めて少ない。

第151回
・「すいません、セカンドヴァイオリンください。」楽器屋さんに行ってこんなことを言った方もいるかもしれません。残念なことに、そういう楽器はないんです。1stヴァイオリン、2ndヴァイオリンと言いますが楽器は同じです。でも、楽譜が違うんです。1st が旋律を奏でているとき、2nd は伴奏をしている、ということが多いです。2nd 弾きとしてはうらやましく思うこともあります。でも、この陰の2nd もなかなかいいものなんです。普段は小気味のいい演奏をしつつ、たまに旋律が出てくると何小節も前から待ち構えていて、みんな目の色を変えて弾くんです。そんな、2nd のことを、たまには見てください。

第167回
・今回の2ndヴァイオリンは大変なのです。前の2曲は1 st の奥でせまぜまと弾いていたかと思えば、メインでは端まで移動しなければなりません。けど、広々弾けるし、何といっても目立てるのがいいですね。まぁ、思う存分弾かせていただきます。

第170回
・楽器の中の楽器、ヴァイオリンはまさにオーケストラの華。京大オケのヴァイオリンパートもまた例外ではない。同じヴァイオリンでも1st と2nd では静と動というくらい趣が異なる。1st は冷静沈着で大人っぽく、マーラーの3楽章といった感じ。それに対し、2nd は子供らしい若々しさに溢れている。マーラーでいえば1楽章と言ったところか。弦分奏では、あまりの無法な弾きぶりに学生指揮者から「烏合の衆」と揶揄されながら、それを喜んでいるパート員が多数いる。また、今回の対向配置で2nd がステージ前方に配置される事に乗じて「目立つチャンス」とはしゃいでいる者もいる。このように外見も中身も全く違う両ヴァイオリンパートが、今回はステージ上でも文字通り対岸に位置し、さぞや刺激的な演奏を繰り広げてくれることだろう。

<パート紹介からわかる特徴>

ヴァイオリンの歴代のパート紹介を見てみると、昔は、ヴァイオリンは旋律を担当する目立つパート、と主に1stヴァイオリン目線でのアピールをする文章が多くありました。

第145回に書いてありましたが、旋律に異常な執着を示している、指揮者及びパートトップに従うふりをしつつ、実は天敵視している、というのは京大オケですと1stヴァイオリン弾きに多いような気がします。よく言えば芯が強いと言いますか、下剋上精神があるといいますか、、、

しかし、第154回以降では2ndヴァイオリンの話も取り入れられるようになりました。京大オケでは、1stと2nd間で若干の移動はありますが、担当パートがほぼ固定されています。2ndヴァイオリンは、曲によってはほぼ伴奏でリズム打ちをしていることもあるため、旋律が来ると本当に嬉しそうにいきいきと弾きます。

また、第170回に、1stは冷静沈着で大人っぽく、2ndは子供らしい若々しさに溢れている、と書いてありましたが、確かに私が入団したころの193、194期もそのような印象がありました。ですが、ここ1,2年で1stの雰囲気が変わってきたように思います。2ndと一緒に(もしかするとそれ以上?)やんちゃになってきたように思います。練習中もお互いに意見を言い合うことが増えましたし、飲み会の場でも1st,2nd関係なく一緒に大騒ぎするようになりました。「1stヴァイオリン」,「2ndヴァイオリン」というより「ヴァイオリンパート」という1つのパートとしての一体感が増してきたのかもしれませんね。