演奏旅行
座談会


【メンバー】
高三(2011年度中国・四国地方演奏旅行/交通)
佐藤(2012年度九州地方演奏旅行/渉外
橋爪(2013年度東北地方演奏旅行/総務)
内藤(2014年度北海道地方演奏旅行/総務)
HP広報部スタッフ

演奏旅行とは

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地元中学生の指揮者体験

―――演奏旅行のスタッフとして活躍されたみなさんですが、どのような思いで演奏旅行を行っていましたか?

高三:僕たちは、演奏旅行で自治体の方に音楽の楽しさや面白さをお伝えすることを大事に考えて演奏旅行の企画に取り組んでいました。普段クラシックの音楽に触れているわけでない方に、音楽の楽しさを感じてもらうっていうのを、一番の目的として活動していたし、それを演奏旅行として実現したいと思っていました。演奏旅行では毎年、『白鳥の湖』や『運命』、『カルメン』といった、誰しも一度は耳にしたことのある有名な曲を演奏していて、お客様に楽しさを感じてもらいやすいですしね。

佐藤:あと、自治体によっては要望に応じて、特別なプログラムを組んだりもしますよね。地元の中学校との吹奏楽共演とか。とにかく、関わってくださる人みんなの笑顔を大切にした演奏会を作りたいと思っていました。

橋爪:団員もただ単に演奏しに行くのではなく、多くの公演を行った経験を、今後の定期演奏会や演奏旅行に生かして欲しいですね。ただ漫然と演奏するのではなく、お客様の反応を身近に感じることによって得る経験は何物にも代え難いので。

内藤:体育館みたいに、演奏会場として設計されていない所で演奏会やることで得られることもありますよね。普段その地方で演奏会用の会場がないから会場そのものをゼロから作るわけじゃないですか。そう考えると、その地域で演奏会を開催できることは本当に意味のあることではないかなと思っています。

高三:そういう所に音楽をお届けできるってのはすごいよね。会場が体育館のときはめっちゃ暑いんやけど、それを感じさせないくらいぐっとくるものがある。しかも、お客様との距離が近いよね。その場で喜んでいる声が聞こえたり、お客様の顔がみえたりして、自分たちが音楽を伝えているんだな、ってことを改めて強く実感できた。やっぱり、いつも演奏会を行っている京都コンサートホールとかザ・シンフォニーホールだと、会場が暗くてよく見えないし見ている余裕もないからね。音楽というのは聴き手がいて初めて成り立つものだから、聴き手がいて演奏者がいるという関係を演奏旅行で特に感じますね。

橋爪:たしかに、演奏旅行は演奏中にリアルタイムで反応が感じられるのがいいですよね。定期演奏会だとアンケート読まないとわからないことも多いですし。

内藤:終演したあとに「来てくれてありがとう」とお客様が言ってくださると、本当によかったと思います。僕らの代では、お客様の反応が演奏中も直に感じられることに演奏旅行らしさがあると考えています。お客様が楽しんでいる姿を見て僕らも楽しみ、僕らが楽しんで演奏している姿を見てお客様もさらに楽しんでいただけることを目標にしています。

高三:自治体の方から「ありがとう」って言われるけど、「こちらこそありがとう」って思うよね。交通費だけ僕らが出していて、その他の宿泊費や食費、会場費は自治体の方に出してもらっている。多くの自治体の方々の支えがあって、演奏旅行っていう企画が実現できていることは、ほんとに得難いこと。僕らは京大オケが演奏旅行を行うことを当たり前に受け止めがちだけれど、こんなことができるのは稀有なことだと改めて実感すべきだと思っています。



―――演奏旅行を行うには自治体の方の協力が不可欠です。自治体の方に対して、どんな思いを抱いていましたか?

内藤:自治体の方と協議していくなかで、一緒になって演奏会を成功させる、一緒に作っていく意識を強く持つようになりました。

佐藤:自治体の方とやり取りを重ねるうちに距離感も縮まるし、なにより、このプロジェクトに対する自治体の思い入れをまざまざと感じました。それによって一層、「その自治体のためにいい演奏会を作るんだ」って、自治体の方と同じ志をもって、自分の仕事に臨むことができたな。少し大げさかもしれないけれど。

高三:自治体の方にはすごい手厚く歓迎していただけるよね。そういうふれあいやコミュニケーションを自治体の方とできるっていうのが、演奏旅行で大事なことだと思う。

橋爪:演奏旅行を行えていることを当たり前と思って演奏するんじゃなくて、そういう人たちの支えがあってできていると感じながら演奏したいです。

高三:演奏旅行を通していろんな自治体の方と出会えるし、自治体ごとでも特徴があるよね。その分、演奏にも身が入るというか思いがこもっちゃって、どの公演も終わったらじーんとくるものがあります。



―――どのようなことに気をつけて、演奏旅行の練習や企画をしていましたか?

佐藤:初めて演奏旅行の存在を知ったときは、自分たちにとって楽しい、夏のイベントだと思っていた。でも、先輩たちは「演奏旅行は自分たちのためのイベントではないんだよ」って口を揃えていうし、それが良く分からなかった。どういうことなのかは、実際に演奏旅行に参加する中でようやく分かったかな。「聴いてくれる自治体の方に楽しんでいただけるものを創る」ということが大事なんだって。初めて参加する人は演奏旅行のイメージを持ちにくいから、そのへんの空気を先輩がどう伝えていけるかってことは大切なことだと思う。

橋爪:先輩から後輩に教えるとか、マネージから周りに言っていくとか、もっとできたらいいですね。

高三:定期演奏会だったら2公演しかないけど、演奏旅行って6~9公演も行う。いつも全力で取り組むことで毎回の演奏会で新しい発見があったり、目の前にいる新たなお客様に全力で音楽を伝えることで気づくこともある。そういう経験ができるっていうのが、演奏旅行の素晴らしい部分なのかも。京都にいるときは、日々そういうことをイメージして練習するしかないのかな。音楽をするときにお客様を楽しませて演奏できるかっていうのは、上手に綺麗に演奏するのとは別の領域の問題だと思うから、そういうのを意図してやっていく必要はあると思う。


用語解説

渉外

演奏旅行スタッフの役職のひとつ。自治体の方と直接交渉を行う。→記事に戻る

特別なプログラム

正規の演奏会とは異なる企画のこと。中学生との吹奏楽共演や合唱共演、指揮者体験、楽器指導など。自治体の希望により行う。→記事に戻る

マネージ

演奏旅行の企画者のこと。京大オケでは2回生が行う。→記事に戻る