J.シベリウス
 交響詩『フィンランディア』


193_00_001_Finlandia 交響詩『フィンランディア』は、フィンランドの作曲家であるシベリウスによって書かれたものです。
19世紀末のフィンランドはロシアの圧政下にあり、言語や言論、出版の統制が厳しかったため、新聞が廃刊になることもありました。その新聞界への激励の意図のもとに「新聞祭典」が催されることになり、そこで上演される劇音楽のフィナーレとしてこの曲が作られました。民族意識を高めた劇音楽であったため、当初は『フィンランドは目覚める』という名が付いていました。1900年のパリ万博でフィンランドのオーケストラによって初めて交響詩として演奏され、同時に『フィンランディア』という名称を得ました。交響詩として演奏されるようになってから、ロシア当局はこの曲がフィンランドの愛国心を高揚させることを恐れ、国内での演奏を禁止しました。それでも、題名を変えるなどして演奏は続けられたのです。

交響詩『フィンランディア』は、全体が3つの部分から成る三部形式になっています。
まず、序奏では金管楽器による印象的な重々しい「苦難のモチーフ」が奏でられます。このモチーフを木管楽器と弦楽器が受け継いで民衆の悲嘆を表すような旋律が奏でられ、次第に激しく盛り上がり、「闘争の呼びかけのモチーフ」が金管楽器とティンパニによって打ち鳴らされます。
次に、弦楽器の上昇音型が沸き起こり、「闘争の呼びかけのモチーフ」が低音から力強く奏でられるのをきっかけに主部に入ります。激しい闘争の調べで盛り上がったあとに「勝利に向かうモチーフ」に移り、木管楽器が賛歌風の旋律を奏で、その旋律を弦楽器が受け継ぎます。
そして再び「闘争の呼びかけのモチーフ」と「勝利に向かうモチーフ」が現れて曲が一気に高まっていき、クライマックスで金管楽器が賛歌の最初の部分を奏で、力強く終わります。
この賛歌風の旋律は「フィンランディア賛歌」として有名であり、今ではフィンランドの第二の国歌とされています。