A.ドヴォルザーク
 序曲《謝肉祭》


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 序曲《謝肉祭》は、ドヴォルザークがアメリカへわたる前年、 1891年に作曲されました。ドヴォルザークは、1891年から1892年にかけて3つの演奏会序曲を書いており、3曲まとめて演奏会用序曲3部作《自然と人生と愛》という1つの作品にするつもりでした。結局、この3曲はそれぞれ独立した作品として出版されることになり、第1部《自然》は《自然の中で》、第2部《人生》は《謝肉祭》、第3部《愛》は《オセロ》というタイトルが与えられました。
 《謝肉祭》は3曲の中でも特に人気が高く、演奏される機会が最も多い作品です。曲中に見られる、彩り豊かなオーケストレーションや、活気あふれるリズム、表情豊かなメロディが、人気の理由なのでしょう。

 曲は全管弦楽によるf(フォルテ)の第1主題で華々しく始まります。まさしく謝肉祭の賑わいを表すような、快活なアレグロの主題です。続いて現れる第2主題も活力に満ち溢れており、賑やかな場面が続きます。しかしやがてその熱狂も少し落ち着き、曲がpoco tranquillo(少し穏やかに)と指定された箇所に入ると、今までの曲調とは打って変わった優美なメロディがヴァイオリンによって歌われます。優雅でありながらどこか憂愁を含んだ旋律は、ドヴォルザークならではの魅力的なものです。このメロディは木管楽器に受け継がれ、ヴァイオリンとの美しい掛け合いとなります。その後再び曲は盛り上がりを見せますが、それも一時静まると、イングリッシュホルンによる伴奏に乗り、フルートとオーボエによる心に染み入るようなメロディ が奏でられます。このメロディはヴァイオリンソロ、そして1stヴァイオリンに受け継がれます。その後は第1主題、第2主題が自由に展開され、色彩豊かなオーケストレーションにより活気を増してゆき、賑わいが最高潮に達したところで曲は終わります。