曲紹介の最新の記事一覧

カリンニコフ 交響曲第1番ト短調

2019年6月 7日

 ヴァシリー・セルゲエヴィチ・カリンニコフ(英:Vasily Sergeyevich Kalinnikov 1866-1901)は、現在のモスクワとキエフの間にある、オリョール県ヴォイナに生まれました。貧しい家庭に育った彼は、モスクワ音楽院に入学するも学費を払えず退学になるなど、数々の苦難に見舞われました。そして最晩年には結核を発症し、35歳の誕生日を目前に控えた1901年1月11日に、その短い生涯を終えました。夭折であることから作品数も少なく、彼の作品はよく知られているとは言えませんが、...(続きを読む)

『夜想曲』より「雲」「祭り」

2019年5月30日

  クロード・ドビュッシー(Claude Achille Debussy,1862-1918)は 19世紀から20世紀にかけて活躍したフランスの作曲家です。 10歳でパリ音楽院に入学し、ピアノや作曲において優秀な成績を収めました。22歳で作曲賞であるローマ大賞1位を受賞してパリ音楽院を卒業した後、彼は伝統にとらわれない音楽的手法を用いて『亜麻色の髪の乙女』『海』『喜びの島』など誰もが聴いたことのある数々の名作を生み出します。

  今回の定期演奏会で演奏する『夜想曲』は〈雲〉〈...(続きを読む)

幻想序曲『ロメオとジュリエット』

2019年5月30日

  16世紀末、イングランドの作家ウィリアム・シェイクスピアによって戯曲『ロメオとジュリエット』が書きあげられました。舞台は14世紀のイタリア、ヴェローナ。長きにわたる抗争の中にあるモンタギュー家の一人息子であるロメオとキャピレット家の一人娘であるジュリエットは禁断の恋に落ちます。僧侶ロレンスの助力を得た二人は秘匿に婚約を結びますが、キャピレット家の主君の甥を争いの中殺害してしまったロメオは、ヴェローナ追放の憂き目にあってしまいます。ジュリエットはロレンスに協力を仰ぎ、仮死の毒を使った逃亡...(続きを読む)

幻想交響曲 Op.14

2018年11月25日

ベルリオーズ(Louis Hector Berlioz, 1803-1869)は19世紀フランスのロマン派音楽家です。幼少期の音楽経験は小さな田舎町でフルートなどを習った程度でした。彼は音楽の才能を認められながらも父に従い一度はパリの医学校に入学します。しかし、在学中にオペラ座に通い詰めて音楽に没頭し、ついには医学を辞めて音楽の道に進みました。その後、彼は序曲「ローマの謝肉祭」や今回の定期演奏会で演奏する「幻想交響曲」など数々の作品を生み出します。

「幻想交響曲」はベルリオー...(続きを読む)

詩曲 Op.25

2018年11月25日

エルネスト・ショーソン(Ernest Chausson, 1855-1899)は、フランスで生まれ、フランスで没した人でした。彼は内向的な性格だったものの、「神から命じられた仕事を果たすことなく死ぬのが恐ろしい」という言葉を残しており、彼が強い信念を持って作曲活動に取り組んでいた人物であることがわかります。

1855年1月、ショーソンはパリで産声を上げました。彼は恵まれた家庭環境で不自由のない生活を送りました。体が弱かったこともあり、彼は一人の家庭教師に見てもらうことになりま...(続きを読む)

交響詩『レ・プレリュード』

2018年11月25日

「フランツ・リスト(ドイツ語表記Franz Liszt、ハンガリー語表記Liszt Ferenc)」と聞いて、皆さんはどのような人物を思い浮かべるでしょうか?
超絶技巧を誇ったピアニストであったことや、長髪美男子の肖像画を思い浮かべる方もおられるかもしれません。また、ピアノの経験がある方は、「パガニーニによる大練習曲第3番『ラ・カンパネラ』」や「愛の夢第3番」などの作品を連想されるかもしれません。しかしそんなリストには別の一面がありました。

ハンガリーの大貴族の領...(続きを読む)

交響的舞曲 Op.45

2018年5月18日

第203回定期演奏会の最後を締めくくる交響的舞曲は、セルゲイ・ラフマニノフ(Серге́й Васи́льевич Рахма́нинов、 1873-1943)によって1940年にニューヨークで作曲されました。京都大学交響楽団では幾度かラフマニノフの曲を取り上げてきましたが、交響的舞曲を取り上げるのは初となります。

ラフマニノフは1873年4月1日、ロシア北西部の自然豊かな場所に生まれました。幼少期に音楽の才能を見出されたラフマニノフは音楽院に入学し、熱心な勉強の末ピアノ科...(続きを読む)

交響曲第104番 二長調『ロンドン』

2018年5月18日

京都大学交響楽団が定期演奏会の曲としてハイドンを取り上げるのは、2003 年の第 173 回定期演奏会以来、実に 15 年ぶりのことになります。ハイドン(Franz Joseph Haydn,1732-1809)は親しみを込めて「パパ・ハイドン」、「交響曲の父」、そして「古典派音楽の確立者」と呼ばれています。 彼はオーストリアのハンガリー国境に近いローラウという村で、車大工の息子として生を 受け、教会にて合唱教育を施されました。また、「すでに六歳で若干のミサ曲を完...(続きを読む)